軽自動車の中でも人気の高いスズキのパレットですが、スズキは2016年4月7日にブレーキホースに不具合があるとして、
国土交通省にリコールの届け出がされました。人気の高い車なだけにそのリコール内容が気になります。
というわけで、今回はパレットのリコールについてお話ししていこうと思います。
その前にまずスズキのパレットですが、開発時はダイハツ「タント」に対抗すべくトール型ワゴンの軽自動車として開発され2008年に販売が開始されました。
その対抗作戦は見事に当たり、販売開始からパレットの人気は順調で、2010年には新車販売台数においてもトップ3に名を連ねるといった実力のある車となり、
その後の2013年にパレットの後継車種となるスペーシアの発表と伴い生産終了となったのです。
ただ、パレットはタントの対抗車だけありその実用性や利便性は高く、生産終了となった現在でも中古市場などの需要も高いモデルとされおり、
この車の「キーレスプッシュスタート」や「オートライトシステム」「フルオートエアコン」などといった充実した装備が殆どのグレードで標準装備されているというのが
軽自動車の中でもトップクラスの人気を誇った要因と言えるのでしょう。
ただそんな人気のスズキ パレットだが今回のリコール報告を受け大きな衝撃を受けました。
今回リコールの対象となったのは今回紹介しているスズキ「パレット」、そして日産自動車にOEM供給する「ルークス」の2車種で
2008年1月9日から2011年6月7日に製造された合計31万5304台が対象とされています。
その不具合内容というのが、ブレーキホースに不具合があり制動力が低下するおそれがあるという内容で、前輪のブレーキホースのレイアウトが不適切であるために、
ハンドルを一杯に切った際に曲げRが小さくなってしまい、それを繰り返すことでブレーキホースの内部に亀裂が発生してしまう危険があり、
そのままの状態で使用を続けると亀裂が広がり、ブレーキ液が漏れ、最悪の場合、制動力が低下するおそれがあるとのことです。
今現在でもブレーキホースの不具合は51件ほど発生しているとのことですが、それが原因で事故は起こっていないとされています。
まず今回対象となっているパレットの形式は2型式となっており、「CBA-MK21S」「DBA-MK21S」がリコール対象車となっており、
2型式を合わせるパレットの2型式だけでその数234,640台が対象とされております。
スズキ自動車の今後の改善対策としては全車両でブレーキホースを対策品と交換するという処置が行われるそうです。
というように、スズキにパレットだけでも234,640台がリコールの対象車となっており、日産「ルークス」を合わせるとその数31万5304台となっており、
今回のリコールはブレーキ関係の不具合ということで危険が予想されるので、対象車にお乗りの方は早めに交換処置を受けるようにした方が良さそうです。
ブレーキホースの交換作業的にはそれほど手間のかかるものではいとされているので早めに受けるようにしてください。
それにしてもスズキ自動車というのは軽自動車ではトップクラスの売り上げを誇っているわりにはリコールとなる車が多く見受けられるという印象がある。
それもそう、同年2016年3月にも「ワゴンR」「パレット」「アルト ラパン」など計161万6125台を対象に、エアコン不具合でエンストのおそれがあるとしてリコールとなり、
その内容はエアコンのコンプレッサーでオイルの充てん量が不適切で、エアコンを使用する際コンプレッサー内の潤滑が不足することがあるとのこと。よってそのまま使用を続けると、
内部で焼き付きが発生してコンプレッサーがロックし、最悪の場合エンジン回転数が低下時には走行中でもエンストの恐れがあるとされた。
どちらも重大な事故が起きてはいないとされているが、今回の「ブレーキホースの不具合」と言い、前回の「エンストのおそれのある」と言い
どちらも重大な事故にもつながりかねない欠陥が毎年のように報告されているスズキ自動車は、少々自動車製造過程において見直しをするべきではなかろうか。
この車を始め、ワゴンRやハスラーなどなど、低燃費車で使い勝手とても良く幅位広い層に高い支持を得ている車両多いだけに今後のスズキの車作りに期待したいところですね。
ちなみにこの車両に限らず全車で言えることですが、リコールとなる車両はフルモデルチェンジなどを行った後の初期モデルが圧倒的に多く、逆にモデル末期はまず出ません。
新型モデルというのは前例の無い中車の製造がおこなわれる為、どこかしら不具合が出やすいのです。
そう考えると、車というのはモデル末期であるいわゆる「完成された車」を購入した方が、比較的不具合にあわずに黙って乗り続けられるという事が言えるでしょう。